オプション以外の引数は、実行ファイルと core ファイル (もしくはプロセス ID)
を表します。つまりオプションフラグでもオプションフラグの引数でもない最初の
引数は `\c
-se\c
' オプションで指定するファイルと同じになり、(もしあれば)次の 2 番目の引数は
`\c
-c\c
' オプションで指定するファイルと同じになります。
オプションの多くは、長い表記法と短い表記法の両方で指定することができま
すが、ここではその両方を示します。
長い表記法は、どのオプションであるのかが明確であれば、短く切り詰めても
構いません。
(好みにより `\c
-\c
' の代わりに
`\c
+\c
' が使用できますが、ここではよく用いられる表記で記します。)
全てのオプションとコマンドライン引数は指定した順番に処理されます。
`\c
-x\c
' オプションが使用されると、この順番は変わってきます。
-help
-
-
-h
-
短い説明つきで、全てのオプションを表示します。
-
-symbols= file\c
-
-
-s file\c
-
シンボルテーブルをファイル \c
file\c
から読みます。
-
-exec= file\c
-
-
-e file\c
-
ファイル \c
file\c
を実行可能ファイルとして利用します。
core dump と連係して pure data を調べるのにも用いられます。
-
-se= file\c
-
ファイル \c
file\c
からシンボルテーブルを読み、同時にそれを実行可能ファイルとして利用します。
-
-core= file\c
-
-
-c file\c
-
ファイル \c
file\c
を core dump として利用します。
-
-command= file\c
-
-
-x file\c
-
ファイル \c
file\c
から GDB のコマンドを読み込み、実行します。
-
-directory= directory\c
-
-
-d directory\c
-
ソースファイルを探すサーチパスに \c
directory\c
を追加します。
-
-nx
-
-
-n
-
初期化ファイル `\c
' からコマンドを読み込みません。
通常は、
全てのコマンドオプションと引数が処理された後で、
初期化ファイル内のコマンドが実行されます。
-
-quiet
-
-
-q
-
起動時のメッセージおよび copyright を表示しません。
これらのメッセージはバッチモードでも抑制されます。
-
-batch
-
バッチモードで動作します。`\c
-x\c
' で指定したファイル(および、-nx か -n で抑制されていなければ `\c
') 内の全てのコマンドを
処理した後、戻り値として \c
0\c
を返して終了します。
コマンドファイル内の GDB コマンドの実行中にエラーが生じた場合は、
0 以外の値で終了します。
バッチモードは GDB をフィルタとして実行する場合、
たとえばプログラムをダウンロードして別のコンピュータ上で実行したりする場合
に便利です。
以下のメッセージ
Program exited normally.(プログラムは正常に終了しました。)
は通常、GDB の制御端末上で実行されるプログラムが終了するたびに
出力されるものですが、
バッチモードではこのようなメッセージは出力されません。
-
-cd= directory\c
-
カレントディレクトリの代わりに \c
directory\c
を GDB の作業用ディレクトリとして実行します。
-
-fullname
-
-
-f
-
Emacs が GDB をサブプロセスとして実行する際にこのオプションを付加します。
このとき GDB は、スタックフレームが表示される度(プログラムが中断する度を
含みます)に、完全なファイル名と行番号を標準的な認識しやすい形式で表示します。
この表示書式は 2 つの
`\c
\032\c
'
文字、ファイル名、コロンで区切られた行番号と文字位置、改行の順になっ
ています。これは Emacs→GDB インタフェースプログラムにおいて、
フレームに対応するソースコードを表示するために 2 つの
`\c
\032\c
' 文字を使うことになっているからです。
-
-kernel
-
-
-k
-
gdb をカーネルデバッグモードで使用します。
プロンプトは ``(kgdb)'' になります。
-
-wcore
-
このオプションはカーネルデバッグモードで
「動作中の」カーネルをデバッグしている時のみ使用可能であり、
コアファイル (/dev/mem) を書き込み可能にします。
-
-b bps\c
-
リモートデバッグ用に GDB が利用するシリアルインタフェースの転送速度を
(ボーレートまたはビット/秒で)セットします。
-
-tty= device\c
-
プログラムの標準入出力に \c
device\c
を利用します。