ファイルを移動する (ファイル名を変更する)
destination
とよぶことにする。
「 destination
がすでに存在する場合に -i オプションが指定されている」
もしくは
「 destination
が書き込み不可で、標準入力が端末で、
-f
オプションが指定されていない」のいずれかであれば、
mv
はユーザーにファイルを置き換えてよいかを問い合わせる。
問い合わせは標準エラーに書き出され、返答は標準入力から読み込まれる。
返答が置き換えを肯定するものでなければ、そのファイルは移動させない。
source
と
destination
が同じファイルシステム上にある場合、
その 2 つのファイルは同一のものである
(名前が変更されるだけあり、
所有者・許可モード・タイムスタンプは変更されない)。
2 つのファイルが異なるファイルシステム上にある場合、
元ファイルはコピーされた後で削除される。
可能であれば、
mv
は修正時刻・アクセス時刻・ユーザー ID・グループ ID・許可モードをコピーする。
ユーザー ID やグループ ID のコピーに失敗した場合は、
setuid ビットと setgid ビットをそれぞれクリアする。
-f
-i
destination
がすでに存在する場合、上書きの確認の問い合わせをする。
(-f と -i が両方とも指定された場合、
後から指定された方のオプションが有効になる。)
-f, --force
-i, --interactive
--strip-trailing-slashes
--target-directory= DIR
-u, --update
-v, --verbose
-b, --backup[= METHOD ]
-S SUFFIX , --suffix= SUFFIX
SUFFIX
をバックアップファイルそれぞれに付け加える。
このオプションが指定されていない場合、環境変数
SIMPLE_BACKUP_SUFFIX
に設定されている値が使われる。
SIMPLE_BACKUP_SUFFIX
が設定されていない場合のデフォルトは `~' である。
-V METHOD , --version-control= METHOD
METHOD
には、`numbered' (または `t')、`existing' (または `nil')、
`never' (または `simple') を指定できる。
このオプションが指定されていない場合、環境変数
VERSION_CONTROL
の値が使われる。
VERSION_CONTROL
が設定されていない場合のデフォルトは `existing' である。
このオプションは Emacs 変数の `version-control' に対応している。
有効な
METHOD
は以下の通り。
(他と重複しない範囲で短縮形を使うことができる):
t , numbered
nil , existing
never , simple
--help
--version
--